腹違いの兄弟姉妹がいる場合の遺産分割は?

2019.07.16 UPDATE

コラム執筆者:弁護士 細越善斉

事例|相続人調査により腹違いの兄弟の存在が発覚したケース

父の相続です。遺言はありません。母は既に他界しており、両親の子供は私(長男)だけで、遺産は自宅不動産と預金です。

預金口座の解約をするために、提出を求められた戸籍等をそろえて銀行に出向いたところ、担当者の方より、父には前妻がいて、その間に2人の子供がいるため、その2人と遺産分割協議をしてもらわないと手続きは勧められない、と説明を受けました。

両親からは、父が再婚であり、前妻との間に子供がいるということを聞いたことがなかったので正直驚きましたが、父の相続手続を進めるためには、腹違いの兄弟を無視して進めることはできないようです。

腹違いの兄弟にはこれまで一切連絡をしたことはないのですが、連絡先はどのように調べ、遺産分割協議をどのように進めていけばよいのでしょうか?

架空の事例です

腹違いの兄弟姉妹間での相続は紛争になりやすい?

遺産分割のご相談時に相続関係を伺うと、腹違いの兄弟姉妹が相続人であるということが少なくありません。事例のように、戸籍を取って初めて腹違いの兄弟姉妹がいることを認識した、ということも実際にあるようです。

日本における夫婦の離婚率はおよそ3分の1に達する時代ですので、腹違いの兄弟姉妹がいることは、それほど珍しくないのかもしれません。それでも、実際に当事務所で遺産分割協議の依頼を受けた事件のうち、相続人に腹違いの兄弟姉妹がいるというケースは比較的多いという印象があります。

一般論として、相続関係が複雑であればあるほど、また、相続人間の関係が希薄であればあるほど、相続人間で直接のやり取りを避けたいがために、弁護士への依頼に踏み切る方が多いといえます。そのため、腹違いの兄弟姉妹間では、直接の連絡等を避けるために、弁護士に依頼する方が多いのだと思います。

腹違いの兄弟姉妹に連絡を取る方法

相続関係を正確に把握するためには、戸籍等を取得することが重要です。そして、戸籍上、腹違いの兄弟姉妹の存在及び相続人であることが判明した場合、その者も含めて協議をしなければ、遺産分割協議を成立させることができません。

腹違いの兄弟姉妹の住所や電話番号、その他の連絡先等の情報を知っているのであれば、そこにいったん連絡をしてみるのがよいですが、事例のように、戸籍を取って初めて腹違いの兄弟姉妹の存在を知った、という場合は、そのような情報を持っていないことがほとんどしょう。その場合は、まずは相手方の戸籍の附票をとって、現在の住民票の住所を調べましょう。そして、住民票上の住所が判明したら、同住所に宛ててお手紙等を出し、遺産分割に対する意見について、書面や電話等での回答を求めるのがよいでしょう。

腹違いの兄弟姉妹間で遺産分割をする方法

腹違いの兄弟姉妹の所在が分かり、連絡が取れたなら、あとは遺産分割の協議を申し入れ、話し合いがまとまらなければ遺産分割調停を申し立て、調停が成立しなければ審判により遺産分割の内容を決めてもらうことになります。ここまでくれば、通常の遺産分割事件と異なることはありませんので、粛々と、協議・調停・審判の中で、遺産分割の解決を目指していくことになります。

なお、住民票上の住所にお手紙が届かなった場合には、必要な調査を行ったうえで、それでも現在の居所が明らかにならない場合には、最終的に、不在者財産管理人を選任したうえで、同管理人との間で遺産分割の協議・調停・審判を行う必要がある場合もあります。

  • 01腹違いの兄弟姉妹間の相続は紛争になりやすい
  • 02弁護士に依頼し、住民票を取得して、現住所を調べる
  • 03連絡を取ったあとは、粛々と、遺産分割の協議・調停・審判での解決を目指す

まとめ

事例のケースでは、戸籍を取って初めて異母兄弟がいることを認識しているため、これまで異母兄弟とは没交渉であったのでしょう。そのような場合には、まずは異母兄弟の戸籍の附票をとって現在の住民票の住所を調べたうえで、同住所に宛ててお手紙等を送付してコンタクトを図るのが、現実的な対応だと思います。そして、相手方より何らかの回答があれば、その後は、まずは協議での解決を試み、ダメであれば調停を申し立てて、調停も不成立となれば裁判所の審判により遺産を分割するという、通常の遺産分割事件と同様の流れにより粛々と進めていくことになります。

コラム執筆者:弁護士 細越善斉

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