相続税申告が必要なケースは?

2019.08.20 UPDATE

コラム執筆者:弁護士 細越善斉

事例|遺産総額が5000万円を超えるケース

父の相続です。遺言はありません。母は既に他界しており、相続人は私(長男)と妹(長女)の2人です。遺産は、自宅マンション(2000万円)と預金3000万円のみで、債務はありません。

私は自宅マンションで父と同居し、父の面倒を見ていましたが、妹は嫁いでおり、父とは同居していませんでした。そのような事情もあり、父が亡くなってまだ3か月ですが、私が自宅マンションと預金1000万円を取得し、妹が預金2000万円を取得する、ということで妹との間では話し合いがついています。もっとも、今後、何をどのように進めていいのか分かりません。

父は年金収入しかありませんでしたが、インターネットで調べたところ、相続税申告は10か月以内に行わなければいけないと記載がありました。父の相続の場合も、相続税申告をしなければいけないのでしょうか?

架空の事例です

基礎控除は3000万円+600万円×相続人の数

相続税申告は、相続財産やみなし相続財産の金額から、債務を控除した金額が基礎控除額を超える場合に行う必要があります。
相続財産の金額には、相続開始前3年以内の贈与相続時精算課税制度を利用した贈与が含まれ、みなし相続財産の金額には、生命保険金など相続税法3条に規定された金額も含まれます。また、不動産については路線価で計算します。
そして、基礎控除額は、「3000万円+600万円×相続人の数」となります。
詳細は、国税庁ホームページをご参照ください。

参照

国税庁ホームページ:「相続税の計算

事例の場合、3000万円+600万円×2人=4200万円が基礎控除の金額となります。

申告及び納税期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内

相続税申告が必要な場合、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内申告及び納税を行う必要があります(相続税法27条1項、同法33条)。
よく、申告だけをこの期間に行えばよいと勘違いされる方がいますが、納税も含めて原則として10か月以内に行う必要がありますので注意が必要です。 この点も、詳細は国税庁ホームページをご参照ください。

参照

国税庁ホームページ:「相続税の申告と納税

息子や娘の場合、通常、親が亡くなったことを当日に把握するため、相続税の申告及び納税の期限は、相続開始日の翌日から10か月以内と考えておいた方が安全だと思われます。

準確定申告が必要な場合

なお、被相続人が事業所得不動産所得を得ていた場合、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人に代わって所得税の申告と納税をしなければなりません。これを「準確定申告」といいます。
準確定申告の要否や進め方については、税理士に確認していただくことをお勧めします。

  • 01基礎控除額(3000万円+600万円×相続人の数)を超える場合に相続税申告が必要
  • 02相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内
  • 03事業所得者等は相続開始日の翌日から4か月以内に準確定申告も必要

まとめ

以上のとおり、相続税については、課税金額が基礎控除額(3000万円+600万円×相続人の数)を超える場合に、相続開始を知った日(通常は相続開始日)の翌日から10か月以内に申告及び納税行う必要があります。

事例のケースでは、基礎控除額(4200万円)を超えてしまうため、10か月以内に相続税の申告及び納税を行う必要があります。もっとも、事業所得等はないため、準確定申告の必要はありません。
期限を過ぎて申告及び納税をした場合や、そもそも申告すらしていない場合各種のペナルティが科せられてしまいますので、相続税申告の要否も含め、早めに税理士に相談されることをお勧めします。

なお、CST法律事務所では、相続税申告を専門的に取り扱う税理士法人チェスターと連携・協力関係にありますので、相続税でお悩みの方は、税理士法人チェスターにお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

コラム執筆者:弁護士 細越善斉

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